Death Cleaningとは、スウェーディン人アーティストのMargareta Magnusson氏が著書「The Gentle Art of Swedish Death Cleaning: How to Free Yourself and Your Family from a Lifetime of Clutter」で述べた内容を元に考え出された片づけをする際の考え方です。
Death Cleaningという呼び名は、döstädning(dö:死、städning:掃除)というスウェーデン語を訳したものであり、日本語では「死の片付け」という訳があてられます。
Magnusson氏が両親と夫の死に直面し、彼らの遺品をどうやって片付ければ良いのかという事に頭を悩ませていた時期に生まれたのがこの「スウェーデン式死の片付け」です。
このアイデアでは、家族の負担を減らすことを目的としており、いつからでも始めることができます。
Death Cleaningは、自分が亡くなる前に行う身辺整理であり、生前整理、老前整理、断捨離といったものと同じようなものと考えて差し支えないでしょう。
旅行した時のお土産など思い出の品は取って置きがちですが、それらは取っておく必要はないと彼女は語っています。
物を仕分けする際は、ホントに必要なものなのかを吟味する必要があり、思い出が詰まっているからといった感情的な部分を持ち込むと上手くいかないものです。
また、過剰に物を保有することをよくありません。おそらく皆さんの家には自分の家族の分以上の食器があり、中には全く使わないものもあると思います。
そういった余剰分を勿体ないからといって取っておかず、思い切って捨ててみることが、物を上手く整理するコツとなります。
Death Cleaningでは、積極的に回りの人も巻き込む必要があります。例えば自分の死後にやって欲しい事がある場合、他者の協力が必ず必要になってきますし、銀行のログイン情報や各種重要書類の在りかなども遺品整理時に必要になってくるので伝えておく必要があります。
Death Cleaningをキッカケとして、遺品の処理や遺産相続などといったデリケートな話題を家族で話合えるのは大きなメリットだと思います。
Death Cleaningはクローゼットの中の洋服の仕分けから始めるべきだとしています。洋服の場合、「今は全く着ていない」や「サイズが合わない」のように捨てる理由が明確であるので、取り組みやすいというのがその理由となります。
Death Cleaningはいつからでも始める事は可能ですが、特に65歳以上の方は実践すべきだと彼女は主張しています。
Death Cleaningに限らず、何か新しい取り組みを行った時、それが習慣化するまでには2ヶ月は必要であると言われています。
そこで、彼女は仕分け作業を継続的に行うために自分にご褒美を与える事を推奨しています。ただし、バックや洋服などを購入してしまうと物が増えてしまうので本末転倒です。
自分へのご褒美には「形の残らない物」、例えば映画見る、甘い物を食べるといったものにし、家に物をこれ以上増やさないよう心がける必要があります。
Death Cleaningで物を仕分けするときは、「これをとっておく事で誰もが喜ぶのか?」を判断基準にすると良いとしています。
誰もが欲しいものであるならば、例え自分が亡くなったとしても、家族が長く愛用し続けるはずなので、捨てずに取っておくべきです。
逆に、誰もが喜ぶわけではないマニアックな物、自分の思い出の品等は、それを相続する家族にとっては価値が無いものである場合が多く、そのような物は処分も検討する必要があるでしょう。
Death Cleaningは、残される家族のために行う片づけ方です。生前整理をしようと思っているが、どのように手をつければいいか困っている方はDeath Cleaningの考え方を持って整理整頓をはじめてみましょう。
誰もが必要としているもの、すなわち、実用性の高いものだけを後世に残すという考えなので、通常の生前整理よりも自分の身辺をよりスッキリさせることができます。
しかし、思い出の品をも処分の対象とする機械的な仕分け方法なので、好みが別れそうです。無理をせず、部分的にDeath Cleaningを取り入れる折衷法で仕分けを行うというのもアリだと思いますよ!