遺品整理を行う際、故人が契約していた保険の相続や解約といった手続きを行う必要があり、特に生命保険は故人が残される家族のために蓄えていた大切な財産であるのできちんと受け取ってあげないといけません。
しかし、生命保険の保険金の受け取り方法やその仕組みは複雑で、一体何から取り掛かればいいのか分からないと思います。
生命保険の保険金を申請する際に必要な書類や、加入している保険について事前に知っておくと、突如訪れた訃報にも迅速に対応でき、保険金受け取り手続きに戸惑うことが少なくなります。
また、生命保険にかかる税金が、あるケースでは相続税、また別のケースでは所得税になったりと複雑な所があり、場合によっては損をしてしまう場合もあるので、事前に保険手続きについて知っておくことは大切です。
遺品整理業者は、遺品の処分や仕分け、売却だけではなく、保険に関わる手続きを別途料金で承っている場合が多いです。なので、保険の手続きをすべて業者に任せるのも一つの手ですが、実際にどんな物を用意すべきか、どんな手続きを行うのかは知っておくべきだと思います。
生命保険と聞いて皆さんが思い浮かべるのは、死亡時に遺族に保険金が支払われる「死亡保険」だと思います。
狭義には、この死亡保険の事を生命保険と呼ぶのですが、広義には、
・死亡保険
・医療、疾病保険
・介護保険
・死亡保障つき生存保険
といった人の生命に関わる保険をまとめて「生命保険」と呼びます。以下で各保険の内容を簡単に説明しておきます。
被保険者の死亡により保険金が支払われるのが死亡保険になります。死亡保険には保証期間を最初に決定する「定期死亡保険」や一生涯保証対象となる「終身保険」などがあります。
また、死亡時に受け取れる保険金を一括で支払うのではなく、ある一定期間にわたって給料のように分割で支払う「収入保障保険」というものもあります。
医療保険は、被保険者が病気や怪我をした時にその手術費用や入院費用が支払われるといったもので、こちらも定期タイプと終身タイプがあります。
また、病気や怪我により働けなくなった場合に、その働けなくなった分の所得を保障してくれる「所得補償保険」といったものもあります。
日常生活が一人で困難になり、介護が必要になった場合に保険金が給付されます。保険金の支払いは、一括、もしくは分割で支払われるタイプがあります。
予め決められた契約期間まで継続して保険料を支払うと保険金が受け取る事ができ、仮に契約期間中に亡くなったとしても保険金が受け取れるタイプの保険。
学資保険、個人年金保険、養老保険などがこのタイプに属します。学資保険では、子供がある年齢(通常15歳や18歳)に達すると満期金や祝金といったものが支払われます。
また、仮に満期に達する前に親が無くなった場合としても、その時点から一定期間にわたり保険金が継続的に支払われます(親が無くなった時の保険金支払いシステムは他にもいくつかあります)。
ここから、保険金受取に関わる以下の7つの事について解説していきます。
・加入している保険の調査
・保険会社へ問い合わせ
・受取人について
・税金について
・相続として受け取るとお得!
・契約者が亡くなった場合(被保険者と契約者が異なる場合がある)
・受取人が亡くなっている場合
故人が加入していた生命保険を調べるためには、
・保険証券
・生命保険控除証明書
といった書類を見つけ出すことから始めます。大抵の場合、遺品整理作業中に見つけ出す事ができると思います。
もし見つからなかった場合は、故人の銀行の通帳で保険料が引き落とされていないか確認してみて下さい。また、保険料が給料から天引きされるといった場合もありますので、会社員の場合は勤務先に保険の加入の有無を確認する必要があります。
それでもダメな場合は、保険会社が送るカレンダーやタオルといった贈呈品が無いか確認してみる事をおススメします。
もしそのような品が見つかれば、その贈呈品を送った保険会社に問い合わせて契約の有無を聞き出すために必要な書類を確認し、直接窓口で生命保険に加入していたのか調べてみましょう。
1つの保険証券を見つけ、どこの生命保険に加入しているのか分かったとしても、実は複数の保険に加入していたということも。通帳などもしっかり確認しておきましょう。
故人が加入している保険が分かったら、保険会社に保険金の受け取り方法について問い合わせましょう。
保険会社に問い合わせると、
・保険証券番号
・故人の名前
・亡くなった日
・亡くなった原因
・保険金受取人の名前や連絡先
・入院や手術の有無
などを聞かれ、その後に保険会社所定の請求書などが送られ、保険金受け取り申請手続きを行うといった流れになります。