「渡る世間は鬼ばかり」の脚本で知られる橋田寿賀子さん(93)。彼女は安楽死肯定派としても有名で、「安楽死で死なせて下さい」という本も出版しています。
今回の記事では、橋田寿賀子さんの死への向かい合い方、終活・生前整理で取り組んだ事について紹介していきます。「終活・生前整理をする意義が知りたい」という方や「具体的に何に取り組めば良いが分からない」という方は是非ご覧になって下さい。
・プロフィール・経歴
・死との向き合い方
・生前整理・終活で行った事
橋田寿賀子さんは「おしん」や「渡る世間は鬼ばかり」等の脚本を手掛けた作家で、2018年10月現在93歳。今も現役で作家活動を続けており、最近では「渡る老後に鬼はなし」「安楽死で死なせて下さい」「恨みっこなしの老後」といった本を著し、老後の人生の歩み方・自身の考えについて積極的に発信しています。
夫はTBSのプロデューサーであった岩崎嘉一。彼との間に子供は授かっておらず、20年以上前に死別して以降は、ずっと一人で暮らしています。
終活に取り組む理由は、自身が天涯孤独の身であり、なるべく周囲の人に迷惑をかけたくないという思いからだと語っています。
波乱万丈な人生を歩んできた橋田寿賀子さんは、「死」に向かう際は誰にも迷惑をかけない事が大切であると考えています。
以下では、死に向き合う際に彼女が心がけている事、周りに迷惑をかけずに旅立つために彼女が必要であると考えている事について紹介します。
橋田寿賀子さんは終活を行うにあたって、立つ鳥跡濁さずという言葉にあるように、モノは残さない方が良いと語っています。
こうする事で、自分が亡くなった際に周りに迷惑をかけずに済むというのが一つの理由。また、自分みたいな年老いた人の場合、家の中がすっきりしていた方がお洒落に見えるからという理由もあると述べています。
彼女は、人生の終わりを迎える際は、人間関係をすっきりさせるのが良いと考えており、独り身になって以降は、本当に付き合いたい人とのみ関係を維持しているそうです。
彼女いわく、誰かと嫌々付き合うという事は、何かしらの見返りを求めているとのこと。そして、見返りがないと分かると、相手への恨みを募らせるようになります。
例えば、親が今まで育ててきたのだからと子供が自身の介護を行う事を期待すると、子供が介護を拒んだ場合に恨みの感情を募らせます。
このように恨みを持って余生を過ごす事を避けるために、最初から人に頼ること望むべきでないと橋田さんは考えいます。また、このように誰にも頼らず、誰も恨まずにいると、気持ちの面で穏やかに過ごせるので良いとしています。
橋田寿賀子さんは、老後の生活の不安を取り除くためにも安楽死は必要であると、自身の著書「安楽死で死なせて下さい」の中で語っています。
彼女が安楽死を肯定する理由は、周りの人に迷惑をかけたくないからとのこと。
認知症等により体の自由が利かなくなり、自分1人での生活が困難になった場合、周囲の人の助けを求めざる負えなくなってしまいます。特に認知症の場合、自分の意思を伝える事さえも出来なくなってしまいます。
また、最近では親の介護の問題が良くニュース等で取り上げられます。子供の負担になりたくないと考えている親も多いと思いますが、子供は介護を放棄するわけにはいきません。
こういった問題に対処するためには、安楽死が必要であると橋田さんは述べています。
自身が脚本を務めた「渡る世間は鬼ばかり」に出演する女優・泉ピン子さんとは古くからの付き合いがあり、彼女の発言をキッカケに終活を始めたと、「徹子の部屋」に2人一緒に出演した際に明かしています。
橋田寿賀子さんが生前整理・終活で行った事は以下の5つになります。下部で各項目について紹介していきます。
・葬儀・お墓の準備
・ペットの引き渡し
・書物等の整理
・土地の譲渡
・エンディングノートの作成
橋田寿賀子さんは、葬式も戒名も一切不要であるとしています。その理由は、自分自身が葬儀に参列するのが嫌いだからとのこと。彼女は、私みたいに葬式が嫌い、偲ぶ会に参加したいと思わない人もいる以上葬式は必要ないと主張しています。
彼女は、自分が亡くなった時に備えて、飼育費込みで自身のペットを誰かに譲るつもりであると話しています。
里親に支払う飼育費はペットの残りの寿命も加味して、100万円~200万程度と考えているとのことです。