昨今の日本では、高齢者の孤独死が問題視されています。孤独死の場合、遺体の発見が遅れる事が多く、遺体の体液や腐臭で室内が汚染されてしまい、その原状復帰に遺族は頭を悩ませる事になります。
このような遺体によって汚染された部屋のクリーニング作業の事を「特殊清掃」と呼び、超高齢社会を背景にその需要は高まりつつあります。
そこで、今回の記事では、特殊清掃の依頼方法、費用の目安、保険や損害請求などの概要について説明していきたいと思います。
自分でも特殊清掃を行う事は可能であり、業者が特殊清掃用の清掃キットを販売していたりする場合もあります。
しかし、遺体の臭いは想像を絶するものであり、自分の衣服などにその死臭がこびりついてしまう可能性があります。また、清掃中に感染症を患ったり、頭痛や吐き気に悩まされたりする場合もあります。
そうしたリスクを考えると、汚染された室内の清掃は専門の特殊清掃業者に依頼するのが良いと思います。遺品整理業者や清掃業者が特殊清掃事業も請け負っているので、そこに依頼することになると思います。
最近では、保険会社から孤独死による特殊清掃などの費用を保証してくれる保険が登場し、これに大家や管理会社が加入しているケースが増えてきています。また、高齢者自身が加入する保険もあり、それにより遺族や周りの方の負担を減らす事もできます。
しかし、一般に孤独死向けの保険は自死については保険適用外であり、その場合は遺族が清掃費用を負担する必要があります。
また、いわくつき物件となるので、その物件の家賃は減額され、その分の損害賠償請求を連帯保証人や相続人に行う場合もあるようです。保険や損害賠償請求については後でさらに詳細に解説していきます。
遺体を発見した場合、まずは生死の確認を行う必要があります。基本的に死亡の確認は医師しか行う事ができないので、救急に連絡しましょう。
ただし、白骨化や遺体の腐敗など亡くなっている事が明らかな場合は、警察への連絡を行います。
注意点としては、遺体には決して触れてはいけないことです。警察が死因の特定を行いますので、現状維持したまま、救急や警察に遺体回収は任せるようにして下さい
遺体の回収が終わった後は、この物件の大家さん、もしくは管理会社に連絡し、どのような対応を取るべきか相談して下さい(物件が賃貸の場合)。
この連絡を怠ると、その家の家賃や光熱費などの各種費用の事で後々トラブルが生じる可能性があるので必ず連絡はするべきです。また、このときに特殊清掃費用は誰が負担するのかなども話し合われるはずです。
大家さんや管理会社との話し合いがまとまれば、特殊清掃を扱っている遺品整理業者や清掃業者にクリーニング依頼をします。もちろん、そこまで汚染がひどくない場合などは、自分で行う事も可能です。
特殊清掃依頼時の料金は部屋の状況や清掃内容によって大きく異なるため、一概にいくらとはいえません。
ただし最近は業界でも競争が起きているため、料金は最適化されつつあります。2つの遺品整理業者の特殊清掃費用を以下に並べてみましたが、大きな差はありません。
実際どのくらいの費用がかかるのかは、その汚染度によってかなりのばらつきがあり、高額になると数十万円に上る場合もあります。いくつかの業者から見積もりをもらう相見積もりをして(3社ほど)、無理な負担を避けましょう。
悲観的な観測ではなくて現実問題として、部屋を引き払うのにかかる費用を身近な人に予め渡しておくとよいかも。ワンルームの特殊清掃なら30万円あれば充分のはず。
例の見積もりが届いた。特殊清掃と諸々オプション込みで、1LDKの部屋15万円でやってくれるらしい。最近は廃棄費用が馬鹿にならないから、まぁ、良心的な方かなぁ。
株式会社リスクベネフィットでは、特殊清掃用キットを販売しており、価格は送料込みで税込み45,000円となっています。この清掃キットの中身には以下のようになっています。
長靴・ビニール手袋・ゴム手袋・紙マスク・ラップ・プラスチックへら・ビニール袋・防護服・防護マスク・消毒液・消臭剤・噴霧器・特殊清掃指南書・死臭吸着シート
床上清掃:30,000円~
浴室清掃:50,000円~
消臭・除菌:10,000円~
畳除去:3,000円~
オゾン消臭:30,000円~
人件費:20,000円~
床上清掃:30,000円~
浴室清掃:30,000円~
消臭・除菌:10,000円~
畳除去:10,000円~
オゾン消臭:30,000円~
人件費:20,000円~