2010年頃から耳にするようになった遺品整理。自分でやるとなると、ごみの分別や粗大ごみ処分の知識、作業スピードなどの負担が大きいため、遺品整理代行業者へ依頼する方も増えています。
しかし、依頼をためらう方がいるのも事実。「ほんとにみんな利用してるの?」「遺品整理業者に依頼したら変わった人だと思われるのでは?」といった疑問をお持ちのはずです。
そこで、遺品整理がどれほど世間へ浸透しているか、また必要とされているか、統計などを通してみていきましょう。具体的には以下のポイントをチェックします。
・遺品整理業者の数
・遺品整理の依頼件数
・遺品整理におけるトラブル発生数
・65歳以上人口の推移予測
・孤独死の件数
・遺品整理を取り扱った小説やドラマなどの作品
データを見る前に、先に結論から述べると、遺品整理サービスは既に世間に浸透しています。多くの方が認知しており、また現代において遺品整理で困っている人たちを救う手立てとなっています。
「遺品整理士」の民間資格を発行している一般社団法人「遺品整理士認定協会」が公開している情報によると、2011年には212人だった会員数も、2017年には2万2456人に増加。
もちろん、協会に所属することは必須ではないため、実質的にそれ以上の遺品整理業者が日本中に存在しているということになります。
遺品整理の依頼件数(協会が把握している件数)は2011年には1,000件以下でしたが2017年には5,000件を超えていたとのこと。
遺品整理の依頼件数が増えるのと同時に、トラブルの報告数も増加しているようです。
国民生活センターによる2018年7月19日の発表によると、日本全国で国民生活センター・消費生活センターに寄せられた遺品整理サービスの利用に関する相談件数は以下のようになっているとのこと。
・2013年 73件
・2014年 109件
・2015年 90件
・2016年 114件
・2017件 105件
遺品整理業務を行うにあたって、特に必須の資格や許可が存在しないため、稀に悪徳業者と依頼者の間でトラブルが起こってしまうようです。
内閣府による発表では、2035年までに65歳以上の人口は3782万人に達すると予測されています。下の数字を見ると分かる通り、2010年から右肩上がりに増加しています。
・2010年 2924万人
・2015年 3347万人
・2020年 3619万人
・2025年 3677万人
・2030年 3716万人
・2035年 3782万人
参考: 内閣府「高齢社会白書」平成30年版
一人暮らしの高齢者(65歳以上)の数も増加すると見込まれており、国立社会保障・人口問題研究所による予測では今後20年でおよそ220万の、65歳以上・一人暮らし世帯が増えると見込まれています。
・2015年 625万世帯
・2020年 702万世帯
・2025年 751万世帯
・2030年 795万世帯
・2035年 841万世帯
参考: 国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」2018年版
日本全国ではなく、東京23区の情報となってしまいますが、過去5年間でみても「孤独死した65歳以上」の方は増加しています。
2017年には3319人と、過去5年間んで最高の値を記録しています。
・2017年 3319人
・2016年 3175人
・2015年 3116人
・2014年 2885人
・2013年 2869人
・2012年 2727人
注: 東京都監察医務院が発表する「東京都監察医務院で取り扱った自宅住居で亡くなった単身世帯の者の統計」を参考
遺品整理という仕事への注目から、それを題材としたテレビドラマや映画などの各種エンターテイメントも制作されています。
どうか「遺品整理人 谷崎藍子3」の再放送をお願いします🙏🙏🙏 https://t.co/RKBN28j6bH
2010年、2011年、2012年、2014年、2015年、各年1エピソードが放送されていた月曜ゴールデンドラマです。
原作小説などはなく、遺品整理メモリーズという業者監修のもと制作された、遺品整理士と依頼者周りで起こる事件と家族の関係にフォーカスを当てた内容となっています。