遺品整理業界は比較的新しく、国や都道府県・市町村により認められる資格等も存在しないため、悪質な業者によるトラブルか起きることがあります。
2018年現在、遺品整理士を国や公的機関により認められた遺品整理士である、と保証する資格は存在しません。関連する資特別な資格を持たなくても遺品整理を行うことが出来てしまいます。
遺品整理士認定協会という一般社団法人が「遺品整理士資格」とその資格を取得するための講座を開催していますが、これはあくまで民間資格であるという現状です。
注: 遺品整理業に関連する一般廃棄物収集運搬許可(市町村管轄)、古物商許可(警察管轄)という資格は存在する
悪質業者による事例がいくつかあるとはいえ、良質なサービスの提供を心掛ける優良企業が存在すること、そして遺品整理代行サービスが困っている人を助けるということも確か。
優良企業と悪徳企業を見分けて、トラブルなく遺品整理を済ませましょう。悪質業者を見分けるコツは主に以下の4つです。
・相見積もりをする
・資格を確認する
・対応をよく見る
・作業に立ち会う
・キャンセルの条件は前もって確認
それぞれについて詳しく解説していきます。ちなみにこれらの確認ポイントは、遺品整理とも関連する特殊清掃などを業者へ依頼する際も適用できます。
ちなみに、悪徳業者が行う可能性のある行為として以下が挙げられます。
・他業者と比べ見積もり額が不当に高い・安い
・作業終了後、支払時に見積もりより値上がりした価格の請求
・引き取った遺品の不法投棄や個人情報抜き出し、悪用
・自治体の規則に沿った廃棄物の分別を怠る
・整理作業中に見つけたモノ(貴金属等)を無断で回収
・価値のある遺品の買取価格が相場よりも低い
・打ち合わせなしに処分品を勝手に決めてしまう
実際に2017年11月、北海道札幌市の4人が回収したモノ・廃棄物(およそ400キロ分)を別の罹災黒業者が設置した資源ゴミ回収施設に無断で投棄した件で逮捕されたという事件が起きました。
その他の実際にあった事例については以下の記事を参考にしてください!
遺品整理の場合、複数業者から見積もりをとる相見積もりが一般的です。相見積もりを行い各業者のて提示した見積もり価格を比較することで、整理を依頼する部屋の状況における料金の相場・目安を知ることが出来ます。
相場から大きく離れた見積もりを提示する(安すぎ・高すぎいずれにおいても)業者は、悪意なく見積もりを誤っていたり、不当に価格を調整している悪徳業者であることもあります。可能であれば内訳まで確認してみましょう。
訪問見積もり時に、見積もり後すぐ契約を結ぶことは避けましょう。まずは他の業者からもらった見積書と内容を比較・検討するべきです。
見積もり・相見積もりから依頼までの流れは基本的に以下のようになります。
・電話やメールフォームでお部屋の状況を伝えて大まかな見積もり提示、訪問見積もりの日程調整
・訪問見積もりで料金提示
・相見積もりで他業者と比較して、最も適した業者へ依頼
・業者によっては他業者が提示した金額次第で料金交渉も可
・整理作業終了後に支払い、見積もり価格より高くなることはない
遺品整理士認定協会という民間の一般社団法人が開催している遺品整理士認定講座があります。その講座を修了すると、遺品整理士の資格が得られます。
これは民間の資格であり、「この資格を取得している業者だから100%信頼出来る!」というわけではありませんが、目安のひとつになります。
業者によっては資格書類を公式サイトなどで公表していることもあります。
そもそも遺品整理は整理整頓・片づけ、廃棄物の分別、廃棄物の回収・運搬、古物の買取(モノを中古品として買いとる)などが組み合わさった業務です。
このうち廃棄物の回収・運搬と古物の買取に関しては以下のような許可が必要となります。
・一般廃棄物収集運搬許可: 不要な遺品・モノを廃棄物として収集運搬するための許可。市町村の管轄下にある。
・古物商許可: 遺品の買い取り・販売などを行うための許可。警察の管轄下にある。
問い合わせ時にこれらの資格を持っているか確認してみてもいいでしょう。
一般廃棄物収集運搬許可、古物商許可を所持していなくてもほかの業者と提携して遺品整理を行う業者も存在します。部屋の整理整頓、分別は当該業者が行い、集まった処分品の収取運搬は他業者へ依頼したりすることは問題ではありません。
これらの資格を持っていないからといって業者に対して敵意を向ける必要はありません。しっかりと質問して答えを聞き出すことが大切です。